米国の中古住宅販売件数による経済への影響とは?

米国中古住宅販売件数について

経済や金融市場で注目されているのが自動車と住宅の販売です。

そしてマイホームの購入は、人生最大の買い物であり、住宅の売り上げが順調であれば、その国の景気は良好と判断されます。

住宅は家計にとって最も多い支出であり、購買決定の際には外的要因や心理が働きます。

そのためアメリカの中古住宅販売件数は、株式市場、為替市場、債券市場に影響を与え、国の経済にも直結するため多くの投資家やエコノミストが注目をしています。

その中古住宅販売件数を発表するのが、全米不動産業者協会(NAR=National Association of Realtors)です。

毎月25日頃に発表され、中古住宅がその月にどれくらい売れたかを示します。

なぜ中古住宅なのかというと、米国の住宅販売の90%以上が中古住宅だからです。

日本では、中古住宅ブームが来ていると言われていますが、まだまだ新築信仰の意識が強いため新築のシェアが圧倒的に多いのが現状です。

米国中古住宅販売件数でわかること

住宅を持つことは資産を持つことです。

購入した住宅の価値が上がると資産が上がったと思い込み、自分が豊かになった感覚になり将来についても前向きになります。

収入は変わりないのですが、心理的にたくさん買い物をするようになります。

逆に住宅価格が下がった場合、心理的にお金を使うのを控えるため、消費が落ち込みます。

そのため中古住宅販売件数は、景気動向に対して先行性が高く、経済指標の中でも注目を浴びています。

住宅を購入するということは、それに合わせて家具や家電を購入することになります。

そのため消費が活性化され、多くの波及効果があります。

米国中古住宅販売件数による影響

経済回復と住宅販売は、きってもきれない関係性を持っています。

経済成長を支えていたのは住宅販売があるからです。

住宅の販売価格は高いため、販売件数が伸びれば伸びるほど景気が良くなっていると判断されます。

つまりその国の通貨が買われやすくなることを示しています。

米国中古住宅販売件数のデータ

サブプライムローンの影響で、2005年に年率換算で約700万件の販売件数を記録しました。

そしてサブプライム危機と共に、住宅市場は一気に冷え込み、2009年には約450万件まで落ち込んでいます。

2019年3月では、約551万件と前月に比べ回復しています。

画像参照:米国中古住宅販売件数

米国中古住宅販売件数のデータは下記から見ることができますので、参考にしてください。

全米不動産業者協会:https://www.nar.realtor/

最後に

米国の住宅バブルがはじけて以来、住宅販売が経済を回復させることに対して懐疑的な声が聞かれるようになりました。

専門家は、住宅販売は確かに経済回復の推進力であるが、主役の座は下ろされたと言います。

しかし、多くの市場関係者にとっては、経済動向を知る上で重要な経済指標のひとつになっています。

この米国中古住宅販売件数によって、景気の動向をつかむことができます。

市場の相場を把握する上でぜひ、活用したい経済指標です。

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